家事、やめてみませんか? その2

どんなに栄養バランスがよくて美味しい食事が用意されていても
どんなに家中がピカピカにきちんと磨き立てられていても
どんなに苦労して「しつけ」に心を砕いていても
不機嫌な顔をした人がそばにいるストレスは、はかり知れない。
「正しいこと」を押しつけられると、実はただ暑苦しい。

「家事をやめる? そんなことできるわけないでしょ」と反論がわいてきた?
そういえば、セミナーで「なぜ家事をやるのですか?」と聞いてみたら
「は? 誰かがやらなきゃならないからに決まっているじゃないですか !! 」
きょとんとして、こんな答えが返ってくる。いわゆる「思考停止」だ。

病気のふりしてでもいい、試しに一度やめてみるといい。
最初は「ごめんね、できなくて」と謝ったらいい。
実は、たいていは何とかなる。それですんでしまうのだ。
あなたがやめたら、誰かがやる。あなたがやるから,誰もやらない。
ふだんやっていない人たちがやると、新鮮なアプローチで
意外に「やるべきこと」「別にやらなくてもいいこと」を明確にしてくれる。

Tシャツをいつも裏返しのまま洗濯機に入れる夫に、いつも注意していた妻。
何度言ってもオモテに直してくれないので、ある日、裏のまま畳んだ。
なんと夫は文句も言わず、自分でヒョイと表返して着るではないか。
なぁんだ。彼は気にしてないんだ。
気にしてイライラしていたのは自分だけだった。
その日から、「Tシャツをオモテ返す」という仕事はなくなった。

「家事は、家族のための仕事」というなら、
やる人がイライラして、こわい顔をしていては、本来の目的を達成しない。
「きちんとやっている」は、あなただけの自己満足かもしれない。

常識を疑うところから始まる「イノベーション」の時代。
「家事はやらなければならない」こそ、疑ってみよう。