「家事分担」がうまくいかない理由  家事にもビジョンを持とう

「家事は得意な方がやればいいよね」
「うん、その方が効率がいいし楽しいよね」
恋人どうし、こうやって始めたものの、
なかなかうまくいかないことが多いもの…

かといって
「すべての家事をかき出して、時間を計って、二等分」
論理的ですが、これもなぜかギクシャクします。

家事分担は、著書「20歳から始める幸せキャリアのつくり方」
の中でも特に反響が大きかった章です。

「家事」とひとくくりにすると、見えにくくなります。
でも、次のように考えると見えてくるものがあります。
どんな仕事があるの?
どんな特徴があるの?
やる人はどう感じるの?

まず、家事には「プラス」と「マイナス」があるんです。
「プラス」はクリエイティヴで形があり、評価されるもの。
ワクワク、楽しい、幸せ。そんな気分です。
「マイナス」は後始末、形がなく、評価されにくいもの。
被害妄想や自己満足の気分になりやすい仕事。

ほとんどの方が
「掃除は好きじゃない〜」「片づけは苦手〜」
と言うのは、こんな理由があるからなんですね。

「義務」か「好きな時にやる」か、によっても違います。
そう、こんなふうに4つに分類できるんですね。

     家事のマトリックス、本邦初公開 (笑)

そこに「どう感じるか」も関わってきます。
「プラス」を「好きな時にやる」と楽しいけれど
「マイナス」を「義務」でやるほどにイライラしてくるのです。

さらに、「思い込みバイアスによる外部の評価」が入ってきます。
ほら、こんなふうに。
パパが保育園に迎えに行くと「えらいですね〜」と言われる。
退職後の夫が初めて家の外を掃くと
「いいご主人でうらやましいわ」と言われる。
なのに、子どもが忘れ物をすると
「お母さん、気をつけて」と言われる。

だから、単純に時間で割って家族で分担しても
なぜか互いの気持ちがスッキリしないことがあるのです。

それぞれの分類ごとに見ていきましょう。
まず、「マイナス」の家事を「義務でやる」時。

できないと自己嫌悪で落ち込むことも多くて
誰がやっても楽しくない仕事。
押し付け合っていてはせっかくの家族の時間も台無しです。
だから、「手早くがんばる」のは間違い。
「リストラ」「仕事の最小化」の方向で。

洗う必要があるマット類は置かない。
オープンの棚にモノを飾らない。
ゴミ箱は各部屋に置かない。
自走式掃除機にまかせる。
アイロンが必要な服を買わない。
洗濯機で洗える衣類を選ぶ。

そもそも、そんなに広い家が、
そんなにたくさんの服が必要かな?
だから、家を狭くする。
汚れない構造にする。
衣類の数を減らす。

「マイナス」の家事でも「好きな時にやる」ようにしたら
気分転換ぐらいにはなります。

ガスレンジを3分磨く間にコピーをひとつ考える。
洗濯物を干しながら脇腹のストレッチ。

「プラス」の家事も「義務」になるとちょっとつらい。
でも、華やかな食卓やキレイに咲いたお花、家族の笑顔は
心を和ませてくれるし、やりがいもありますね。
だから、家族で分担して、ひとりの負担を軽くする。
そうすれば、楽しみもシェアできるから。

忙しくても効率的にこなす工夫は、自分を成長させてくれる
チャンスでもあります。
30分で3品の料理を作るための段取り。
短い時間でも子どもの悩みを聞き逃さない接し方。
手間をかけずに色とりどりの花を咲かせるワザ。

ひとりの負担を大きくしないために
外部の力も思い切って利用しましょう。
「料理は手作り」にこだわって表情が険しくなってきたら
外食やカット素材、冷凍食品も上手に取り入れて。

高齢化、共働き、相変わらずの長時間労働・・・
今の日本に、時間や心身のゆとりを持って
心を込めて家事ができる人なんているでしょうか。

だからこそ、ビジョン ( 優先順位 ) を決めましょう。
「マイナス」より「プラス」へ。
「義務」じゃなくて「好きな時にやる」

「やらなくていいことはやめよう」と割り切って
使えるモノはフル活用して
目ざすのは「プラス」家事を「好きな時にやる」
家事に追われず、人生そのものを楽しむ
そんなライフスタイル。

大丈夫。あなたがそう決めたら、きっとできるから。