家事、やめてみませんか? その3
高度成長期、夫は死ぬ気で働き、妻は24時間常時待機でこれを支えた。
それでも労働時間は、2人で最大16時間。
しかも夫はヨレヨレ、過労死寸前だ。
これからは、夫と妻と、それぞれ8時間ずつ働く。
2人で16時間。少し残業しても、余力満々だ。
こちらの方が、よほど労働効率が高いことがわかるだろう。
でも、高度成長期の妻、つまり母親と同じようには家事はできない。
食べるかどうかわからない食事をせっせと作ることも
洗濯物をきちんと畳み、アイロンをかけることも、むずかしいかも。
これから誰かと暮らす、という人は、絶対に最初からがんばらないこと。
相手の「期待値」を下げることに全力を尽くす。
「してもらえないこと」が当たり前、という前提を決して崩さない。
食卓に料理を乗せるなら、1品から。
「うまくいかないな〜、下手だから、ごめんね」と上手に謝りながら。
クレームは、期待値を下回った時に起こるもので、最初から期待値が低ければ
起こらない。
「しょーがないなぁ・・・ 貸しててみろよ。ほら、オレの方が上手じゃないか」と言ってくれればしめたものだ。
でも、多くの先輩はここ、スタート段階でがんばってしまった。
実は、誰かに「求められた」からではない。
「可愛い妻」「いい奥さん」になる、という誘惑に勝てなかったから。
いや、目の前に課題があったから、ついクリアしてしまっただけかもしれない。
時代の過渡期に起こってしまった、でもやっぱり「戦略ミス」だ。
これからは、仕事をきちんとやりたいと思うなら、
「料理上手」「センスがいい」「手作り」「細やか」などの称号はいらない。
夫も子どもも、自分のことは自分でやればいいのだ。