「人間関係のいい職場」はあるか?
私は、それほど悪い人ではない (?) と思っている。
でも実は、相手によって七変化している。
多摩川をランニングしているとき、大型犬がからみついてくる。
飼い主が「あんたが避けないからよ」みたいな偉そうな顔をしていたら
犬ごとにらみつけて、汚れたところをわざとらしく払い落とす。
「あらあら」とリードを引いたら、無視して何事もなく通り過ぎる。
「ごめんなさい」と言ったら、「いえいえ、可愛いですね」と無理して笑う。
発車間際に太ったオヤジが汗まみれで駆け込んで来て、運悪くとなりに座る。
鼻かみながらグイッと身体を押し込んできたら、「臭っ」と鼻を摘んで押し返す。
普通に席の幅に落ち着いたら、こちらも静かに避けて背を向けるだけ。
「バタバタと、すいませんね」とニカッとしたら、「間に合ってよかったですね〜」と愛想を言う。加齢臭はお互いさまだから。
飛行機が到着したら、棚上に入れた荷物を背伸びして取る。
普通にしていたら、わざわざ手を貸してくれるほど日本男性は甘くはない。
ところが。
奥の席の男性が座るときに自席を立って「どうぞ」とにっこりする。
その男性が席に落ち着く時に、少し避けて動き易い空間を作ってあげる。
CAさんがその男性に飲み物を渡すとき、軽く手を添えてあげる。
あらかじめこの3つをやっておくと、到着後、棚上を見上げていると
ほぼ9割は「荷物下ろしましょう」と言ってくれることがわかった。
日本男性もなかなかのものである。
いつでも、どこでも、絶対的に「いい人」など、いないのだ。
仲良しクラブでもあるまいし、「人間関係のいい職場」などありっこない。
仕事がしやすい職場かどうか、あなたが大切にされるかどうかは
あなたの最初の出方で決まるのだ。
誰に対しても、頭は下げるが勝ち。恩は売るが勝ち。言葉はかけるが勝ち。
そうやって、自分だけの心地よいポジションを作っていけばいい。